探究学習ファシリテーター養成講座「探究PLAYers!」を開発・実施のイメージ

探究学習ファシリテーター養成講座「探究PLAYers!」を開発・実施

「探究」の文化を背中で伝える大人を増やす
クライアント
学校・自治体
カテゴリ
教師・講師研修
担当スタッフ
岩田拓真
阿部将敏
石川峻

昨今教育業界では様々なバズワードが飛び交っていますが、共通するのは、講義形式に代表される受け身の学びから、生徒が自ら問いを立て試行錯誤を通して答えを模索するような「探究的な学び(以下、探究学習)」へとアップデートする必要があるという認識です。自然環境や社会情勢、テクノロジーなどが絶えず変化する先行き不透明な世の中を生きるには、成長変化し続けなければいけません。学校教育のあとに続く長い人生にこそ、「学びに向かう姿勢」や「学びを楽しむ心」が必要となるのです。

社会の注目が増す一方で、探究学習を実践する教員の育成や、教育機関における探究文化の醸成が追いついておらず、「ゆとり教育」の二の舞になってしまうのではと危惧する声も少なくありません。また、学習塾や学童など民間の教育関係者からも、探究学習に関心があるもののそれぞれの現場にあった採り入れ方がわからない、という悩みを耳にします。

このような背景のもと本講座は、全国のさまざまな教育現場に「探究」の文化が根づくことを目指し、探究学習の実践者=探究学習ファシリテーターを育成します。

講座詳細・参加申込はこちらのHPから(「入門講座」と「基礎講座」の参加者を募集中)。

※2021〜2023年度の3年間は、一般財団法人三菱みらい育成財団の助成を受けて本活動を運営していました。

1)教員自ら探究者になる「姿勢」を養い、探究学習に関する「授業運営」「授業設計」の力を伸ばします

探究は技術ではなく、生き方そのものです。教員自らが「探究者としての姿勢や態度」を身につけることで、探究の文化を背中で見せる土壌を耕します。このうえに芽を伸ばすのが、「授業運営力」「授業設計力」といった技術です。特に、授業プログラムや学習環境の組み立てに関する「授業設計(学習体験デザイン)」について学べる点は、他の既存講座にない魅力です。

2)【理論 × 実践 × 集合知】による、複合的な学びを提供します

本講座のプロセスそのものに、探究学習のアプローチを採り入れました。講義による知識習得(インプット)で終わらず、仲間と切磋琢磨しあいながら実際の授業設計や運営に取り組む(アウトプット)ことで、実体験に基づいた深い学びを得ることができます。

また、プロジェクト型学習(PBL)、デザイン思考、子ども哲学、イエナプランなど、幅広い理論と手法をカバーするほか、探究学習のその先の「創造学習」領域をも対象とします。

3)入門編・基礎編・応用編と段階的に取り組めるシリーズをご用意しています

教員志望者からベテランの教員まで、経験値に応じた講座を選ぶことで着実にステップアップできるレベル別設計です。

入門編では週末2日間で探究学習の基礎知識を習得しながら自らの生き方とリンクさせ、探究学習の実践者としてはじめの一歩を踏み出します。現役の教員はもちろんのこと、教員を目指す学生の方々にも受講いただける、短期集中型のコースです。

基礎編は、探究学習を既に実践し始めている教員向け。目の前の課題解決やより一層の改善に向けて、プロや仲間から刺激を受けたい、もっと技術を磨きたい方々を対象としています。8週間にわたり現場での実践(平日)と理論習得やケーススタディ論議(週末)を繰り返すことで、スキルアップはもちろんのこと、孤軍奮闘しがちな教員の方々を精神面からもサポートします。

応用編は、地域や社会を巻き込むような発展的な探究学習を仕掛けたり、全く新しい探究学習の授業や教材を自ら作り出したり、探究学習を組織全体に文化として沁み渡らせたりするなど、より大きな枠組みで探究学習を推進したい方々を対象としています(目安:3年以上の教員経験)。半年以上かけて、参加者それぞれの目的・課題意識にあわせた中期的な探究プロジェクトを実践しながら学ぶのが特徴です。(2022年度以降開講予定)